(このコーナーは管理人MACがシドニーの日系新聞”ジェンタ”に連載しているコラムを紹介するものです。VOL.22以前のコラムにもご興味のある方はここ、電子版でご覧ください


「本日も撮影日和」 Vol.42 一国一城の主の気分は?

はや、2013年もあけてしまいましたね。皆様はどんなお正月をお過ごしでしたか?僕はと言うと、いきなり1月3日から某新聞社の取材で仕事をするはめに!これが今年の仕事始め。
この記者の方とは昨年一度ご一緒したのですが、そのときのテーマは、日豪間の政治の違い。今回は同じテーマでも少々視点を変えて、ちょっと変わった「ミクロネーション」(英語では、マイクロネーションと発音)の取材。

この言葉ご存知ですか?世界中に、小さいと言えども、いくつかの「独立国」があるのですがこの小さな独立国のこと。オーストラリア国内だけでも、実に30カ国もあるのです(偉そうに言っていますが、僕も知らなかったのです)

僕が昔から唯一知っていたのは、「ハットリバー公国」。西オーストラリア州の北部のかなりの僻地にある「国」。なんと今年ですでに40周年とか。元々は、州政府の土地や農業に対する考え方や方針を嫌い、ならば「自分たちで国を作っちゃえ」ということで勝手に独立宣言。なんと自国の旗や国歌、はたまた通貨,切手までも作ってしまう徹底ぶり。そしてこれが日本でもそこそこの話題になり、ここを訪れる観光客もそれなりにいたものです。日本では某航空会社に勤めていた(残念ながら今はもう亡くなられましたが)僕に知人がこのハットリバー公国の、日本の「領事」をやっていたなあ。“ノリ“としてもとても面白かった。まあ、オーストラリアの連邦政府としても、全面的に独立国として認めているわけではないですが「寛容」で潰すこともない(日本では間違いなく潰されてしまいますね)。

さてしかし今回ここはシドニーからあまりにも遠いので取材には行けませんでした(残念)。で、必然的にシドニーの周りの「独立国」を取材することに。
その中で、僕がとても面白く、気にいった国をちょっとご紹介。その名も「「ワイ公国(Principality of WY)」。お父さんのPaul氏が国王。お母さんが女王、そして3人のお子さん。国民総数は5人+犬が一匹と言っていましたね(ミクロネーションと言っても、1000人単位の国民を抱えるところもあり、その規模も様々)。住処はシドニーの高級住宅地モスマンの一角。もともと自分の土地に道路を引こうとし、しかしこれが地元のモスマン市役所に認められず、「だったら独立しかない」で始まったよう。そしてこの係争実は現在でもまだ続けられている。

しかし僕が面白いと思ったのは,この方のキャラ。実はポールさん、シドニーで2カ所もアートスクールを経営している、れっきとしたアーティスト(実業家かな?)。また凄く日本がお好きなようで、インタビューの途中で「ヒロシゲ」「ホクサイ」なんて名前がぽんぽん飛び出す。そして「マンガ」「コスプレ」の大ファンでもある(ある日本のマンガでも彼の国のことは紹介されている)。

IMG_3220

(ポール国王、そして女王に挟まれた、、、ぼく)

実はこの土地を巡る論争、関係者には非常にハードなものなのですが(モスマン市役所、周辺住民など)ポール国王の独特の明るい、ユーモアあふれるキャラクターのせいか、だれも彼を憎んではいない。むしろ超人気もの(まあ、ある意味、モスマン市とけんかしているにも関わらず、モスマン市から優秀なアーティストとして表彰されている、おかしな関係)。

しかし、個人的に思うのは、いろいろな思想、信条を掲げている独立国が30もあるオーストラリア、寛容な国なのである。あなたも一ついかが?
ちなみにワイ公国の「ワイ」の名前の由来は、人間生まれてから、すべてに対して一番大事な問いは「Why?」アーティストらしい?!



*参考までに、、、

ワイズ公国サイト:
http://principalityofwy.com

ミクロネーション参考サイト:
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2742296/5996250

ハットリバー公国:
http://www.principality-hutt-river.com