(このコーナーは管理人MACがシドニーの日系新聞”ジェンタ”に連載しているコラムを紹介するものです。VOL.22以前のコラムにもご興味のある方はここ、電子版でご覧ください

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Vol.56 捕鯨問題で感じたこと!

 つい最近、日本の「報道ステーション」をこちらで観ていたら、例の捕鯨問題を改めて取り上げていた。ニュース自体は目新しくはないのですが、ここで、かなりユニークなオーストラリア人映像ジャーナリスト、サイモン・ワーンさん(57歳)のことを紹介していました。なんでも彼は数年前、米国「アニマル・プラネット」の仕事でこの捕鯨問題を追っかけていたとか。そしてこの番組は非常に高視聴率を獲得し、数々の賞も獲得したそうです。

 しかし取材を進めるうちに、彼自身、シー・シェパード側からの「一方的」な紹介の仕方にかなり疑問、矛盾を感じていたそう。そしてプロジェクト終了後もさらにその気持ちが強くなり、とうとう彼自身単独で再び日本へ渡り、独自に取材を開始。そうしているうちに日本に惹かれ、日本の鯨文化にも理解を示すようになり、現在はなんと和歌山県の鯨の町、太地に移り住むまでに至ったそうです。
 番組のなかで、彼は色々と語っていた。「鯨の問題は日本独自のもの。オージーがカンガルーを食べるのと、ある意味そんなに変わりない」「日本がすべて正しいとは思わないが、日本はもっと堂々と世界にその主張を発信すべき」。
 また米国の駐日ケネディ大使が、日本のイルカ漁を批判していた点にも触れ、「ケネディ大使にはぜひ現地太地町を訪問してほしい、そしてまずはご自身の目で見てほしい。そうすれば必ず現実がお分かりになるはず」などとコメント。
 ああ、頼もしや、頼もしや!

 僕らみたいに海のこっちから日本を見ていると、こういった問題が起こるたびに、歯がゆい思いをする。
 日本の「現実」が全く海外に届いていないと言ったらいいのか。特にシー・シェパードのような活動家が動くと、彼らの政治力、機動力の方が圧倒的に強く、またマスコミをも実にうまく使っている。
(余談ですが、シー・シェパードがオーストラリアに立ち寄るたびに記者会見をする。彼らの宣伝だ。その際日本のマスコミも行かなくてもいいのに、ほぼ必ず行く。やはり日本の本社からの要請があるらしい。善悪は別にして「話題性」があるからだ。ホントは無視するのが一番いいのですがね)
 そんな背景もあり、いつもながらここオーストラリアでも、どれほどのオージーがこの現実を分かってくれているのか?非常に心もとない。政府レベルを含め、もっともっと日本から海外に強く発信してほしい。
(これもまた余談ながら、原発とか、こういった話題が浮上し、こちらのマスコミ報道を観ていると、いつも大前研一さんあたりがコメントしている。彼はすばらしいし、個人的にとても尊敬する方ですが、ほとんどいつも彼だけというのは、これまた寂しい。海外メディアにしっかり対応できる知識人がいかに少ないか分かってしまう)

「朝まで生テレビ」なんて番組もよく観ていましたが。いつもケンケンガクガク。でも日本のなか、日本人のなかだけの討論。なんか、日本の今を象徴しているなあと感じてしまい、とても虚しい。
 さてこの話題、最近の慰安婦像の問題にも繋がっています。シドニーでも論議になっていますよね。なるほど、韓国サイドからの政治力、主張は強烈。もっともっと日本人も、国内外で主張していかないと、我々としては肩身が狭くなる一方。自省も含め、なんとかしてくれないと、いや、しないと・・・ね!


(↓サイモン・ワーン氏、こちらからお借りしました

サイモンワーン