(このコーナーは管理人MACがシドニーの日系新聞”ジェンタ”に連載しているコラムを紹介するものです。VOL.22以前のコラムにもご興味のある方はここ、電子版でご覧ください
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Vol.60 どうも皆様長いおつきあいありがとうございました!

ふと気がついたら、この連載も60回。月1回ですから、すでに5年間。ものぐさな僕がよく続いたものです。これもJENTA編集部の方々の励まし、そして少なからぬ地元皆さんの「読んでいるよ!」コールのおかげです。

これまで自分で経験した撮影裏話のようなものを書きなぐってきたわけですけど、この仕事もすでに20年以上。振り返れば、この仕事の「形」も時代とともに変わってきました。
例えば1992年。新米コーディネーターとして旗揚げし、最初のでかい仕事。場所はケアンズ。某国営放送がハイビジョン(この時期がハイビジョンの初期)で「サンゴの産卵」と「ウミガメの産卵」を撮りたいと。船を1ヶ月チャーターしてグレートバリアリーフでロケ。この時驚いたのは、スタッフ(総勢10人)とは別便でハイビジョン機材を貨物で送ってきた。そしてその重量がなんと4トン!空港に引き取りにいったときは、さすがにひっくり返りそうでした(当時の普通の機材が200−300キロ)。その時からおつきあいのある超優秀なディレクターも「近藤さん、こんなに機材が大変だから、ハイビジョンなんか絶対流行らないよ」と自嘲気味に言っていたことを良く覚えています。それがいとも簡単にコンパクト化して今や普通に。いや時代はすでに4K、8Kとその先に向かっている。
そんな機材の小型化もあり、テレビ番組のロケでさえ、ここ最近はスタッフ1名で来るケースも見られ始めました。ディレクターさんが、カメラもまわして、音もチェック。

そういえば伝送業務も昔は「星送り」と言って大騒ぎ。裏で僕らは異常にハイテンションでやっていましたっけ。それが、今ではディレクターのコンピューターからワンクリック。呆れるほど簡単。
我々の役割も様変わり。ベテランコーディネーターの強みの一つに、あっちこっちに行っているのでどこでも土地勘があるぞと。まあさりげなく自慢もしていましたが、今やカーナビの時代。初めての所でも、カーナビで一発。
その分、以前だったら5−6人のクルーでやっていたのが2−3人。一人で二役や三役ができてしまう。しかし、ギャラは変わらず(嘆)。ううん、いいやら悪いやら。しかし恐ろしく時代の流れが速い事は紛れもない事実。

先日も、iPadを新しく買って、頭を抱えながら「初期設定」をしていたのですが、中学生の息子がみかねて手伝ってくれた。しかしその早いこと。おじさんには「ゴッドハンド」としか思えなかった。年齢のわりには、まだコンピューターは充分こなせるぞ、と思っていたのだが、完全に脱帽。もうあきまへん。しかし息子よ、お前達は大変な地代に生きるわけだから、しっかりしなくちゃあかんよ!
そんなことを言っている僕も、この先まだしばし撮影の仕事は続けますが、僕自身の新しいテーマは、人生2周目に入り、どうするかですねえ?

体も心もすべてがいたんでくる。しかし全くいいことがないかというと、そうでもない。少々長く生きてきた分、心だけはもっと「軽く」していけるんじゃないかと。といっても、裏を返せば、すべてに「しゃあない」「適当でいいや」と、割り切ってあきらめることができるというだけかもしれませんがね。 うん。

この原稿を書いているのが、本日10月13日。明日から1ヶ月ほどカカドウーに長期ロケに行ってきます。思えば、この第一弾が今年はじめで、同じカカドウーに1ヶ月。今年はカカドウーに始まり、カカドウーに終わる。これも何かの偶然、いや必然か。せっかくなので大自然の中で、今凝り始めている、そしてライフワークにもしていきたい「ヨガ」をじっくりとやってこようと。

そんなことで(?)、区切りのいい60回でまずは一度コラムを終了させていただきます。これまでのご愛読本当にありがとうございました。これからは不定期、あるいはまた違ったテーマでお会いできるといいなとも、思っています。
そしてそれまで、どうぞごきげんよう!

↓シドニーはいつも快晴、「本日も撮影日和」でした。

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