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オーストラリア関連本紹介(書評つき)

雁屋哲著 「日本人の誇り」

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このシリーズでは、オーストラリアの関連本のご紹介をしていきます。
少しでも皆様の参考になればうれしい限り。
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先日またダーウィンに行ってきて、そのことをちょっと書きましたが、ダーウィンというところは小さな南国風の町なのですが、大陸の縦断や、世界遺産「カカドゥ」への入り口ということもあって、観光地としてもそれなりに有名なところです。

ところで、あまり知られていないのですが、この街は、過去2度ほど壊滅状態になりました。
一度は、1942年、太平洋戦争中に日本軍の襲撃を受けたとき。
そして2度目は、1974年のサイクロン(日本の台風に相当)に直撃されたとき。

こういった悲劇があり、サイクロンはある意味自然災害と割り切れるとしても、日本軍の襲撃は、ダーウィンの人々に その後もトラウマを残しました。私も、昔ダーウィンを訪れたときは、地元の年配の方たちから、パブなどで絡まれた経験があります。今は、ほとんどそんなことはなくなりましたが・・・。

こんなことを知っている、あるいは覚えている日本人がどのくらいいるでしょう?
日本の教科書でもほとんど、教えられたという経験がありません。

私にとって記憶に残っている1冊の本があります。
雁屋哲さんの書かれた”日本人の誇り”。

「美味しんぼ」の著書としても有名な雁屋さんですが、実は、現在シドニーにお住まいです。劇画の原作の仕事もほぼ一段落し、そして気分転換をしたくなり、外国暮らしを考えたようです。当初はアメリカを考えたようですが、小さなお子さんが4人いて、治安を考えるとオーストラリアがいいかな・・・とそんなところからオーストラリア暮らしが始まったそうです、それが1988年。

ただ住み始めて、色々なことを体験されるうちに、日豪間の歴史、特にその間に起きた悲惨な戦争の歴史をほとんど自分たちは知らないことに愕然、そこから雁屋さんは徹底的にその間の出来事を検証されました。
その力作が本書です。

私も、えらそうなことはいえません。
日本にいる頃から10年もオーストラリアの仕事に関わっていたのに、戦争というと、日本軍による、シドニーへの特殊潜航艇の襲撃、ダーウィンへの襲撃程度のことしか知りませんでした。
そのほか、タウンズビルやブルームへの攻撃、もっとひどいのは、当時の東南アジアで行われていた、日本軍のオーストラリア捕虜への扱いです。
このことは、現在でも、何かあるたびにこちらのマスコミで報道されます。
そのたびに、我々も肩身が狭くなり、この問題の根の深さを実感します。

両国間に色々な事情があったことは確か。ただ、雁屋さんは、まだ現在この問題に関し、日本は全く総括できていない!と括ります。

雁屋さんに関しては、本人が中国生まれということもあってか、単純に”反米・親中(アシア)”のレッテルを張られる人もいるようですが、オーストラリアに来る方、あるいは関わっている方、まずは一読をお勧めします。
そのうえで、自分がどのような立場をとるかというのは考えればいいことですから。

オーストラリアへは、相変わらず日本人の旅行者も多く、また、留学も人気です。反対に、オージーの日本への旅行も、「スキーのニセコ」が象徴するように大ブーム。

「日豪交流」という、掛け声、きれい事を言う前に、まずは、両国の”根っこ”の部分を理解しておくことはやっぱり大事なことだと思います。
たまにはこんな堅い話も・・・。

実は最近また手に取って久しぶりに読んでみたのですが、日本の震災以降ということもあり、またまた考えさせられてしまいました。

日本人の誇り



参考:雁屋さんのブログもあります.非常にユニークです。

アランムーアヘッド著「恐るべき空白」

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恐るべき空白

個人的には、オーストラリアの歴史を知る上での一番のお勧め本です。

時代は1860年、当時はまだまだ未知未開のオーストラリア内陸部へのバークとウイルス率いる探検隊の物語。旅の過酷さ、そして襲い掛かってくる悲劇が圧倒的な迫力で語られています。

以前シドニー在住の絵本作家の森本順子さんとご一緒してこのルートを旅してみたのですが、「よくもまあ、こんなところを徒歩で走破したものだ」…と、さすがに2人で絶句状態でした。某テレビ番組でのロケだったのですが、一同全員でビックリ。
(ちなみに順子さんは、この題材をベースに当時探検隊を助けた側の地元アボリジニーにフォーカスし、絵本を書かれる予定です)。

またこの本は、椎名さんの「熱風大陸」と併せて読むといいと思います。
(またご紹介します)

…というか、椎名さんはこの本を読まれたのが大きなきっかけで、オーストラリアの旅を考え、そして執筆に至ったようです。いわば「熱風大陸」の原点が「恐るべき空白」だったのです。

↓撮影のときのスナップショット。とにかく内陸はとんでもなく過酷なところ。
 一番上の写真の真ん中が紅一点、森本順子さん

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