(このコーナーは管理人MACがシドニーの日系新聞”ジェンタ”に連載しているコラムを紹介するものです。VOL.22以前のコラムにもご興味のある方はここ、電子版でご覧ください
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Vol.59 ヘリでの空撮も、時代によって変化が!

僕の仕事(撮影コーディネーター)でけっこう遭遇するのが「空撮」。ロケ地の雄大さや迫力映像を空からヘリや時にはセスナで撮影するもの。僕自身は撮影はしないが、カメラマンと一緒に乗り、横でカメラマンの意向を聞きながら適切な指示をパイロットにだしていくというもの。
ところで、実はカメラマンも、我々コーディネーターもヘリが苦手という人が意外と多い。カメラマンの方で面白いのは、実は空撮は大変苦手でも、プロ意識と言うか、いざカメラを持ってレンズを覗くと、その間だけはなんとか頑張れてしまえるそう。立派な職業病か(笑)。また同業者のコーディネーターも、「頼むから空撮だけは勘弁」と言う方を何人も知っている。(余談ですが、こちらのパイロットの腕前は日本と比べても圧倒的に上だそう。なんでも過疎の豪州では、フライイングドクターとか、パイロット重要が高く、軍隊出身とか優秀な人材が集まっているそう)
さて僕の場合。昔から不思議だったのが、高所恐怖症なのに、ヘリに乗ると妙な高揚感と言うか、とにかくはしゃぎたくなるくらい楽しい。したがって、仕事に空撮がはいると、いつも嬉しくなってしまう。で、先日日本に一時帰国したとき、やっとその訳が分かりました!
帰省し年老いた母と雑談していたのですが、いつものように昔話に。そしてさらに僕たちの生まれた時の話に発展(僕は男ばかりの3人兄弟の長男)。なんでも僕を生んだときが一番大変だったとか。うちの母は家事と百姓をずっとしていた。予定日を過ぎても、なかなか僕はでてこなかったという。それがある日、いつものように家の近くで畑作業をしていたとき、いきなり隣の高校のグラウンド(のちに僕が学んだ学校ですが)にヘリが緊急不時着したとのこと。うちの畑はすぐ隣。これが大変な騒音だったようで、母はいきなり産気づき、そのまま近くの産婆さんに直行。で、速攻で僕は生まれたと。
ううん、初耳でした。これが僕がヘリとの相性がいい理由なんだと、今では信じている(笑)
ここで話は先月のロケに移ります。シドニーの郊外アッパー・ハンター・バレー。例のワインの有名なところ。しかしこの背後にはでかい山(国立公園)が拡がっている。ここで今年初頭、大規模なブッシュファイアーが起こった。
そして今回の撮影のテーマは、そのブッシュファイアーとユーカリの木々との関係。
実はユーカリは、この国で独自の進化を遂げ、ブッシュファイアーのあとも、すぐ新しい芽が出て、逞しく、しかも急速に成長していく。そんな自然を紹介するドキュメンタリー。四駆2台で山奥に入り撮影を続ける。そしてディレクターのひとこと「やはりこの雄大さを紹介するには空撮が必要だよな」。
で、即段取り開始。実はすでにご存知の方も多いと思うのですが、今では、ミニチュアのヘリにカメラを搭載して、これをリモコンで操って撮る方法がかなり浸透し始めています。オペレーターの操作がうまければ、ユーカリ林のすぐ上を跳べるし、もっと言うと、多少のスペースがあれば、木々の間を跳ぶことさえもできる。

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そしてこれがかなりの迫力映像。もともとクレーンを使ったり、ヘリを使って撮影する手間を、このミニチュアのヘリ1機だけでできてしまう。
僕もこの存在は知っていたが、これまで縁がなく、今回初めてその現場を見ることができた。地元シドニーの若いお兄ちゃん2名(オペレーター)がヘリを持ち込み、やってくれた。ホント、実にうまく操作する。そしてプレビューした映像もほとんどぶれもないし、迫力があるのである。今やハリウッド映画やらでは必需品(余談ですが、今回のカメラマンが数年前の連ドラ、あまちゃんのオープニングのシーンもこれで撮ったと言っていましたね)
さて、こんなふうに技術がますます進歩して行くということは、僕がへりに乗れる機会もどんどん減るということだろうか。いや、でしょうね。間違いない。時代が変わっているとはいえ、なんだか寂しい!

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