(このコーナーは管理人MACがシドニーの日系新聞”ジェンタ”に連載しているコラムを紹介するものです。VOL.22以前のコラムにもご興味のある方はここ、電子版でご覧ください

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Vol.55 ローンボールは愉しい!

オーストラリアに来てかれこれ20年。ことオーストラリアカルチャーに関しては非常に興味を持てる分野と、そうでもない分野がはっきりしてきます。スポーツもその一つ。

クリケットはその典型。野球のルーツと言われるもの。しかしやってみれば面白いんでしょうが、とにかく試合の時間が長い。ピッチャーの球はワンバウンドだし、攻撃範囲は360度だし、全くわからないし、面白くない。過去何度か取材があり、一夜漬けでそのルールなどを勉強して臨んでも、いざプロジェクトが終わると一瞬で忘れている(これ、あくまで僕の個人的な意見です。クリケットファンの方ごめんなさい。決して悪気はありません)

さてもう一つ、ローンボールがある。そう、年配者がきれいなユニフォームを着て芝の上でボールを転がしている、あれだ。これまた個人的には全く興味が持てない(…かった)。まだそんな歳じゃないし(いや、今はもう十分そういう歳になってしまいましたが・・汗)。

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そんなおり、皮肉にもローンボールの取材依頼が。急いでK女史に連絡(困った時には何でも助けてくれる頼もしい相棒です)、取材対象を探すことに。そしたら彼女の知り合いに、何と日系人の「若者」がいると。ケンタ・トリーチャー君、まだ22歳、シドニー大学の学生だとか。しかも、すでに色々な大会でも大活躍していると。それも凄いが、僕にはこのスポーツは確か老人向けだったんじゃないの?と少々混乱したのを覚えています。でもそれだけに若者が活躍しているなんて何とも目新しいし、頼もしい。

で、早速ロケ。当日は運良く快晴。ちょうど彼の所属しているチームが試合をするという。色々とルールを聞きながら、まずは練習の様子を撮ることに。これが何とも優雅(?)みんな半分ビールを飲みながらやっているし、中にはタバコをふかしながらのツワモノも。でも、表情はいたってまじめ。そして試合がスタートし、あとはカメラマンさんに撮ってもらうだけ。僕はというと地元クラブの長老にルールを教えてもらいながら、のんびりビールを呑みながら観戦。でも徐々に興奮してくる。

ここで数年前のことを思い出したのです。場所はお隣ニュージーランド、カーリングの世界大会。当時日本の女子チームがかなり注目されていて、そのロケに同行することに。正直なところ、それまでこの競技になんの興味も持てなかったのですが、取材を進め試合を観戦していると、これがなんとも面白い。体力もさることながら、頭脳の限りを使って戦略、戦術を考え尽くす、そんなスポーツ。「氷上のチェス」と言う意味もよくわかりました!

今回のローンボールもまたそんな感じ。何とも見事な知的スポーツなんですよね。
しかも、ケンタ君を見ていると何とも清々しい。聞く所によると、こういった若者もどんどん増えているとか。自分もそろそろ始めてみようかな。好きなゴルフとの共通点もありそうな気がするし。いや、なによりコートは社交場(酒を呑めるところ)とセットでもあるし。

このスポーツは、クリケット同様、英国連邦内で始まったスポーツなので、日本ではまだ誰も知らないだろう。でもこれ日本でも流行ってほしいですね。その時にはケンタ君に親善大使になってもらって活躍してもらおう…ね。

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