(このコーナーは管理人MACがシドニーの日系新聞”ジェンタ”に連載しているコラムを紹介するものです。VOL.22以前のコラムにもご興味のある方はここ、電子版でご覧ください

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Vol.47 ベストセラー作家、百田尚樹さん

先月は仕事も一段落し、2週間ほど日本に帰国。そして後半はいつも通り東京に立ち寄ることに。ある晩、気持ちよく友人と呑み、ほろ酔い気分でホテルに戻ると、その途中大手の本屋さんにまだ人影があるのを発見。「うん?」時計を見るとすでに夜の9時半。店員さんに聞いてみると、夜11時まで開いているとのこと。レストランやコンビニなどは24時間オープンも多いし、すでに本屋さんも例外ではないのですね。働き蜂国家ジャパン!それはさておき。

今やアマゾンで簡単に本が注文できるとはいえ、帰国したときの書店巡りはやはり楽しいもの。今どんな本が流行っているのか一目瞭然。そして今回も本屋さんを回ってみると、どこでも百田尚樹さんという方の本が平積みになっている。何でもすごいベストセラー作家だとか。
少々へそ曲がりのぼくは、逆にあまりにも人気がありすぎる故に興味がわかず、そのときは遠目から眺めるだけでほとんどその本を手に取ることもなかった。

しかしシドニーに戻ってから、いくつか日本のテレビ番組でこの百田氏を拝見し、そのあまりにもユニークな キャラクターに激しく興味を持ってしまいました。(極めつけは「情熱大陸」を見た時でした)
百田氏、もともとテレビの業界に長く今でも放送作家をされているとか。僕も多少放送作家の方を存じ上げているのでそのこともあり興味が倍増。

とりあえずよく行く近くの日系古本屋さんにいくと、ラッキーなことに2冊ほどあり即ゲット。
そして彼の処女作「永遠のゼロ」を速攻で読むことに。これは戦争中の零戦パイロットのおはなし。個々の文章が短く簡潔。手に汗を握りながら読む、というのはまさにこのこと。そしてじわじわと終盤に。最後は涙なくして読めない。最終章の大どんでん返しもすごい!長編でしたが一気に読めました。余談ですが、途中から2年前に亡くなった僕の親父がダブってしまいどうにもならず。親父は特攻パイロットで、鹿児島まで行き、まもなく出征というところで終戦になり、命を落とすことなく帰郷できたのです(その時命を落としていたら僕は生まれていない)。

永遠のゼロ写真


情熱大陸の中のインタビューで、百田氏は「僕の文章は短い。放送作家を長くやっているので、この業界はとにかくリズムとテンポが良くないとダメ。いくらナレーションがよくても、リズムが悪いと全く受けつけない」と言っていました。他にも、「現実の世界を観れば毎日悲しい、ひどいニュースばかり流れている。そんなことは現実の世界だけで充分。僕の小説の世界は、もっとみんなに気持ちのいい感動や、勇気を与えられるようなものにしたかった」「本屋大賞を戴いたのは最高の賞。読者から支持を得ているということで、出版社主催の○○賞などよりもずっと嬉しい・笑」などの皮肉も。

そんなところで鍛え上げられてきた文章、そして作品なのですね。扱っている題材もすごく多岐にわたっているのですが、 基本は読者を意識した徹底的なエンターテインメント。まさに脱帽、非常にお勧めです。
ちなみに僕は現在2冊目の「モンスター」に挑戦中。不細工に生まれてしまった女性が高額のお金をかけ整形手術を行い、大変身をして劇的な人生を歩みだすという物語。もう手に汗が出始めています。

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下記、参考情報です!